今回の記事では、オーストラリアの自動車保険やロードサービスについての基本的な情報をご紹介します。
【保険選びのポイント】
▶︎保険に加入する際には、各保険会社での保険料や補償範囲が異なるため、事前にしっかりと調べることをおすすめします。ポイントとしては、ご自身の生活スタイルや車の使用頻度、駐車場所などの状況に合わせることです。
【CTP保険】
日本では、自動車を運行する場合には自賠責(自動車損害賠償責任保険)への加入が法律で義務付けられています。オーストラリアにも同様の強制加入の保険があり、CTP保険(Compulsory Third Party Insurance)と呼ばれています。車両の新規登録、登録更新の際には加入が必要です。
CTP保険は、日本の自賠責と同じように人身損害についての保険ですが、大きな違いは日本の自賠責には限度額が定められているのに対し、CTP保険には限度額の設定はなく、個々のケースに応じて妥当な保険金が支払われることになります。
Compulsory Third Party Insurance を直訳すると「強制第三者保険」ということになりますが、この場合の “First Party” は事故を起こした「運転手」を指し、”Second Party” は「保険会社」で、”Third Party” は人身損害を被った「被害者」という位置付けとなります。
CTP保険は、ニューサウスウェールズ州では Green Slip(グリーンスリップ)とも呼ばれていますが、各州によってルールが若干異なります。ほとんどの州では車両登録料(Registration Fee)の中にCTP保険料が組み込まれていますが、首都特別地域(ACT)、NSW州、QLD州では、CTP保険会社を選択することができます。ただし、保険会社が違っても対人賠償の内容は変わりません。保険会社によって異なるのは、保険料、事故を起こした運転手自身に対するカバー、または任意保険の割引といった特典などです。
【任意保険】
強制加入のCTP保険で対人賠償はカバーされますが、これだけでは対物についてはカバーされませんので、万が一事故を起こしてしまった場合や、事故に巻き込まれてしまった場合など、高額の出費を強いられるリスクは残ります。
対物賠償については任意保険に加入することによりカバーする必要があり、以下の2種類に大別することができます。
対物賠償保険
総合自動車保険(車両保険込み)
対物賠償保険 – Third Party Property Insurance
対物賠償保険(Third Party Property Insurance)は、他人の車や所有物に対する賠償保険で、自分の車の損害についてはカバーされませんが、最低限これだけでも加入しておけば、事故の賠償責任によって破産してしまうなどといった最悪の事態はほぼ回避することができます。
【火災・盗難保険(Fire & Theft Cover)の追加】
対物賠償保険にはオプションで火災・盗難保険を追加することができ、自分の車に対しても、火災と盗難について保険が適用されます。ただし、保険会社によって限度額が設定されている場合もありますので、加入の際にはしっかり確認した方がよいでしょう。
【総合自動車保険 – Comprehensive Car Insurance】
対物賠償保険、火災・盗難保険と車両保険がすべて組み合わさった保険です。その分保険料は高くなりますが、安心の度合いは大きくなります。車両保険を利用する場合には Excess と呼ばれる免責金額を支払う必要があります。加入時にExcessの額を高く設定すれば保険料は安く抑えることができ、逆にExcessが低いと保険料は高くなります。
【フロントガラス(Windscreen)】
走行中の飛び石などでフロントガラスやその他の窓ガラスが割れたり、ひびが入ってしまった場合、Excessを払うことなく交換・修理してもらうことができる特約などもオプションで用意されているのが一般的です。
【ロードサイド・アシスタンス・オプション】
多くの保険会社では総合自動車保険にロードサービスをオプションで追加することも可能です。
【保険会社と保険料について】
オーストラリアにはたくさんの保険会社がありますが、補償内容やオプション、保険料などは様々です。加入の際は、数件の見積もりをとって比較をしてから判断するのが良いでしょう。または身近な人たちに評判を聞いたり、保険ブローカーを利用するという方法もあります。
保険料は様々な要素から計算されて決められますが、金額を左右する大きな要因としては、ドライバーの年齢、運転歴、事故歴、Excessの金額、車種、年式などが挙げられます。
【主要な保険会社】
オーストラリアでは4大銀行(ANZ、Commonwealth、NAB、Westpac)およびその他の銀行や、各州の自動車クラブ(NRMA、RACQ、RAA、RACT、RACV、RAC)、郵便局(Australia Post)、大手スーパーマーケット(Coles、Woolworths)、その他以下の保険会社をはじめとする何十もの会社が自動車保険を提供しています。
AAMI(https://www.aami.com.au/)
Allianz(https://www.allianz.com.au/)
Suncorp(https://www.suncorp.com.au/)
ロードサービス/ロードサイド・アシスタンス
自動車の故障やトラブルの際に役立つのがロードサービスで、ロードサイド・アシスタンス(Roadside Assistance)とも呼ばれています。日本と同様、オーストラリアでも保険会社がロードサイド・アシスタンスを提供する場合もありますし、日本のJAF(日本自動車連盟)のような機関の会員になることにより、サービスを受けることが可能です。
日本のJAF(Japan Automobile Federation)に相当するのが、AAA(Australian Automobile Association)ですが、AAAは各州の自動車クラブにより構成されています。いずれかの会員になることにより、他州でのサービスを受けることも可能です。
事故やトラブルを未然に防ぐためにも、保険に関する知識を深め、適切な保険を選択することが大切となります。
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